二戸にある博士の歌碑など4

田中舘愛橘博士の胸像
二戸私立福岡中学校の校門脇の中庭に、田中舘愛橘博士の胸像がある。胸像は、校庭越しに、ちょうど折爪岳を望んでいる。

 顔つきや頬ひげなどはそっくりだし、顔も確かに博士であるのだが、近づいてみると、結構大きな像で、博士を下からのぞき込むような感じになる。

 胸には岩手県で初の文化勲章が輝いている。ぐるりと回ってみると、胸幅も厚くて、まさに堂々たる博士の胸像である。
 だが、写真で知る限り、博士はスマートに見えるので、個人的には違和感がないでもない。

 昭和27年、東京大学安田講堂で行われた学士院葬とは別に、この福岡中学校の校庭で、田中舘博士の町民葬が行われた。この葬儀には、実に3000人以上が参列し、博士を偲んだというから、大変なものである。
 

 この像とは別に、博士の小さな胸像が、田中舘愛橘博士記念科学館に展示されている。こちらはひと抱え程の大きさであるが、とても立派な感じがする像である。

 それにしても、このようにいくつもの胸像が存在すること自体、すごいことだろう。そればかりか、「田中舘賞」という、博士の名を冠した賞も2つ存在しているのだ。

 愛橘博士は、確かに後生に語り継がれるほどの偉業をなしとげた人であった。博士の存在とその活躍は、地元にとって誇りであったろう。そんな思いがこの胸像に込められている気がする。

 博士の像は、いつも子供達を見守っている。

胸像のすぐそばにある、愛橘先生の訓が刻まれた石碑。ローマ字ではない。


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